洋楽クラシックロック雑記帳

懐古趣味の70年代、大体リアルタイムの80年代を中心に思いつくまま。ほぼ備忘録

Ratt あれこれ (1)

ラットは中学時代に好きだったバンドのひとつ。
その時代の思い出をあれこれ雑多に詰め合わせてみようかと。


1984年秋。

TVで見たミュージックビデオ(以下MV)を記録していたノートに “ラット「ラウンド アンド ラウンド」” と書いたことははっきり覚えているが肝心の映像及び曲は全く覚えていない。
それがラットに関する最古の記憶である。

その少し後、雑誌のカラーグラビアで彼らの姿を感覚的に初見。
独特のビジュアルからは猥雑さしか感じられず、なんか嫌というか……。

このバンドを好きになることは絶対ないな。いや、ならない!とわざわざ決意なんぞした次第。
ところが次にまた雑誌でグラビアを見たとき、その決意は早々に翻る。

それが1985年。

私の理解が追いつかない猥雑さはややマイルドになっていて、おまけにブロンドヘアにイメージチェンジしたドラムのボビー・ブロッツァーがいいかんじになってる。
それでいっぺんにラットが好きになった(わかりやすいヤツだな〜)。

以下、ラットについてちょっと書いていた昔の文章。



1985年5月5日(日)

☆ ラットで1ばんファンの人 … ボビー・ブロッツァー

☆ラットのおんがく … ラット&ロール!

☆ラットのメンバーはステージではすごいカッコーしてるけども、オフステージのときはみんなフツーのおにいちゃん!



──あと、各メンバーの星座予想なども書いていたが見事に全員ハズしていた(はずかしい子)。


で、曲の方はというと上記の過去文章から少し遡った時期ぐらいに「Wanted Man」(1984年)をラジオからエアチェックした記憶。
この曲が私にとって実質的な1曲目である。

詳細はあまり覚えていないが頑張って周辺の断片から思い出してみると私は当初スティーヴン・パーシー(vo)の声と歌い方が苦手で、濁声の歌いっ放すスタイルが粗野に感じて怖かった。

とはいえこの曲はどっしりとしたミドルテンポがじわじわ来る系でカッコよく、ボーカルに関してのそこはグッと耐えながらのリスニング(なんだそれ)だったような。
ま、それもラットを好きになることによって気にならなくなったのだが。




www.youtube.com



ということでまずは昔書いたこのMVのことを少し。
1986年5月25日(日)にMTVで見たプログラム「HM(ヘヴィメタル)マニア」の感想の中にチラッと入っているだけのものを抜粋。



1986年6月1日(日)

(この直前の文ではモトリークルーのMVのことで喜んでいる)
それとですね!な、な、なんと…これまたすごいのが出たのだ!!
それはラット!!しかも「ウォンテッド マン」で!!

さいごにロビン、ねてたのにおきて、ワッ!っていうかんじなのだ。
それにライヴ パフォーマンスがめちゃカッコイイ!!
1年半くらいまえのやけど、まえのやつの方がなんかエエなー。
ロビンはなんかを吐くのであった。
それとウォーレンのかみがなんでかしらんけどまっくろだったし、ボビーもまだかみの毛、ちゃいろだった。
ロビンのかおは化しょうっけなし!スティーヴンもですよ。
そしてフォアンのこわいかお!ほんとにおそろしかった。
明るい画面でよかったよ!とにかく大好きなビデオなのだ!



──なにやら興奮気味の感想文。
とにかく当時こういうハードロック及びメタルバンドの、しかもアーカイブなMVなど見るチャンスというのは洋楽情報番組でもなかなかなくてしかも我が家にビデオデッキはなかったので、録画のかわりに己の脳裏に焼き付けるしかなかったというそんな状況下で見たいビデオが登場したときの歓喜ときたら!!

過去感想「ロビンはなんかを──」というところからの記述はMVの中の西部劇パートについてのもの。
「フォアンのこわいかお」というのは掲示版に打ち付けられた指名手配の紙を睨みつける表情のこと。
メンバーの中ではフォアン・クルーシェ(ba)が最も役に入っているような印象も受けた。

「THE RATT GANG」として懸賞金をかけられたお尋ね者5人に扮したメンバー。
そのいでたちが意外にというかなんというかすごく似合っていてステージでのメイクを施した危険な香りのする顔と違い、メイクなしの素顔は普通に皆、好青年的でなぜかホッとしたような。

アルバム「Out Of The Cellar」(1984年)を(この地点で)150万枚売り上げたゴールドディスク授与の模様も華やかなコンサート、サイン会、ツアーバスの中の様子などミニドキュメンタリー風イントロダクション。

さてバスを降りたラットの皆さん。
そこは西部劇の……セット?
それともトワイライトゾーン的な世界?
ここ、メンバーはいろいろしゃべっているけどなんとな~く聞き取れ……ない(あーあ)。

そうこうしているうちに曲が始まる。
若々しく貪欲なギラつき、ギターの音のきらびやかな印象の中にいぶし銀のような渋さも居座っていてリフ、展開共に重厚。
そして舞台は西部開拓時代へ。
合間に差し込まれた躍動するライブ映像も相まって鳥肌が立つほどのカッコよさ!

で、ラスト間際、ラットギャング vs 保安官軍団の撃ち合いからのボビーが椅子からコケるところ。
……ボビーは撃たれたか?……まあそれはともかく(!)、そのコケたボビーに駆け寄る皆のかんじがなんかいい。

ロビンとフォアン=すぐに助ける係 スティーヴン=半笑い(?) ウォーレン=やる気なし(??)

そんなプチほのぼの感もありながら今見てもやっぱり80年代ラットのMVの中で一番好きな作品である。


というわけで時系列的にちょっとややこしいかんじになってしまったが、なんだかんだすっかりお気に入りになったラット。
このあと自分の中でのラット祭りが更に盛り上がっていくこととなる。
その起因となった曲は「You Think You're Tough」。


このあたりの思い出は次回でまたグダグダと。