洋楽クラシックロック雑記帳

懐古趣味の70年代、大体リアルタイムの80年代を中心に思いつくまま。ほぼ備忘録

洋楽への道(5)POPベティハウス

TVのチャンネルをコロコロ変えていたら、ある映像が目に飛び込んできた。

……外国の歌手のTV……?


これまで、数年かけて超スローペースに歩いてきた洋楽への道。
最初もわもわと厚い綿のようにたちこめていた霧が少しずつはがれていき、薄いベールのようになっていたのが突然ぱっとどこかへ飛んでいったような。
とにもかくにも目の前には確実な洋楽。

ラジオを開拓しなければ出会えないと思っていたのに、そうやってTVの中で会えたのだ。
ホッとするような嬉しさもあった。
そしてもちろんここがゴールではない。
ま、といってもこの先はルンルン気分(死語好き)で見たり聴いたりするだけなのだが!


そういうわけで、そのTV番組を見るようになった。
以下、記憶を頼りに書いてみる。

番組名は「POPベティハウス」。

平日の夕方(連日)に洋楽のミュージックビデオ※以下MV(当時はプロモーションビデオ、ビデオクリップなどと呼ばれていた)を流す関西ローカルの音楽情報番組で、私が見始めた頃(1983年秋)は15分番組だった(のち30分番組に)。
放送時間帯はというと、初期は16時台。
その後17時になったり18時30分になったり。

オープニング映像(家の中に次々いろんな人が入っていくアニメーション)は私が知る限り最後まで変わらず。
オープニング曲は途中で1回だけ変わっている(最初の方はシンプルなかんじ、その後の方はちょっと騒がしい系)。

VJはギリシャ人女性で名前は「クッキー」。
え、「ベティ」じゃなくて?と、疑問に思ったりした。
じゃあなんで「ベティハウス」なんだ?とか。
「ベティ」って誰だ?とか(しつこい)。

当初は表情もやや硬く緊張の面持ちだったクッキー。
でもそれは段々と解消していき、はつらつとしたVJぶりが特徴だった。

クッキーによる曲、アーティスト紹介は英語。
テロップは曲名もバンド名もカタカナ表記。
邦題ありの曲はそのまま邦題が出ていた。

また、はじめの方はたしか英語オンリーだったトークも年月を経るにつれ日本語も達者に。
ちなみにクッキーがお休みの時は代わりのVJ(セシリアという人しか覚えてないけど)が務めていた。

さて内容。
オープニングとエンディングに流すMVは途中で切られ、真ん中(1、2曲ぐらいだったかな?)の曲は全部流れる。
この、途中までというのがいつもすごく残念だった。
15分の枠の中では苦肉の策だったのであろうが……そりゃあ最後まで視聴したい。(この問題は30分枠になってから解消された)。

いつも番組の最後に言うクッキーの定番フレーズ「バイナウ(Bye now)」。
「グッバイ」とか「バイバイ」しか知らなかった私の耳には非常に新鮮な響きだった。
少なくともこの番組でしか聞かない言い方で、クッキーの造語?(違いますが)と勘ぐったことも。

番組は89年春まで続いていたと思う。
後番組は「BTT(Big Time Television)」という30分の洋楽情報番組(こちらも引き続き見てた)。


と、いうことで小6から高2までほぼ欠かさず見ていた「POPベティハウス」。
ここで見たMVの曲名とアーティスト名を忘れないためのノートを作り、少しずつ洋楽を知っていった。
途中、こじらせていた反抗期には「ベティハウスは軟弱な曲ばかり」とエラそうにほざいていたときもあったが(恥ずかしい時代)、なんだかんだでやっぱり見ていたのだ。

CMでビリー・ジョエルの曲に心惹かれたその日から夢にまで見ていた世界を教えてくれた案内人、POPベティハウス。
夕方という時間帯での放送は子供だった私にとって強い味方であったことも忘れてはなるまい。

ありがとう、ベティハウス!


......つけてたノート、処分しなきゃよかった(泣)。