洋楽クラシックロック雑記帳

懐古趣味の70年代、大体リアルタイムの80年代を中心に思いつくまま。ほぼ備忘録

洋楽への道(4)「ビートルズって何?」

かねてより母の思い出話の中にちょっとだけ出てきていた「ビートルズ」。

どんなふうだったのか改めて母に尋ねてみると、どうやら母自身は詳しくないようだった。
ビートルズを好きな同級生に教えてもらったりして聴いていた程度のようで。
その中で母は「涙の乗車券」という曲が好きだったと言っていた。

そうなのか〜ということで、デパートの中にあったレコード店のそばを通る際、つい寄って枚数の充実したビートルズのシングルを次々垂直に引き出しては曲名、ジャケット写真など眺めるようになった。
もっとも、曲は違うけどジャケットが同じみたいなのがたくさんあってそれがよくわからなかったのだけど*1

そして「涙の乗車券(原題:Ticket To Ride)」のシングルレコードを母へプレゼントするつもりで購入した。
それが、私が初めて買った洋楽のレコードである。




The Beatles - Ticket To Ride



母は当初こそ懐かしいと喜んでいたがそのうち聴かなくなり、結局私の方が聴くようになっていた。
イントロの甘酸っぱいトーンやドラムのリズム、アウトロでのファルセット入りフレーズが印象深かったことを覚えている。

このレコードのB面は「イエス・イット・イズ(Yes It Is )」。



youtu.be



こちらの感想は「地味で退屈」(なんかすいません)。
が、不思議なもので気だるさに魅入られたかの如く徐々にこの曲の方を好きになっていった。

しかし、母の時代の曲ということで歴史上のものに接している感覚が強かったのも事実。
当たり前のことだが、どうしても全体の音に古さを感じてしまうのだった。


そんな日々の中、いつのまにやら夕方ごろのローカルTVで流れていたのがなんとビートルズのアニメ*2

ビートルズをもっと知るチャンス......というよりも面白いアニメとしてただ楽しく見ていた。
アニメの設定上では愛されキャラのボケ役、リンゴが可愛くて好きだった。
なにより「リンゴ」という名前自体がすでにかわいい。
ちなみに私はこのアニメでメンバー4人の名前(ファーストネームだけ)を覚えたのだった。

曲も毎回いろいろ流れたが、はっきり覚えているのは「ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day’s Night )」ぐらい。
それではアニメの方はというと、ガン見していたわりに上記の記憶以上の記憶はない(あーあ)。

また、そのあとぐらいの時期だったかTVでビートルズの特集のような番組をやっていて、これもたまたま見た。

そこで最も印象に残ったのはアニメと同じくリンゴ、ではなくジョンだった。
そして曲もたくさん流れ、今度はかなりの吸収力で頭に吸い込むことに成功した。
特に「ペニー・レイン(Penny Lane)」のかわいい曲調がいいなーとか。
「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(Lucy In The Sky With Diamonds)」のタイトルの長さにもかっこよさを感じたり。

そういうたわいない受け取り方しか出来ない私ではあったが、それでもなんとなくビートルズってすごい存在なんだなということだけはわかった気がしたのだった。


ただ──私からするとやはりビートルズは「歴史」であり、「今」ではなかった。

のちに懐古趣味に走ることになるなんて思いもつかない年頃(11歳〜12歳頃)であり、渇望するのは現在進行形の洋楽だったのだ。

*1:結成15周年記念シングルシリーズだったみたい

*2:アメリカのアニメ「The Beatles」の日本語版。タイトルは「アニメ・ザ・ビートルズ