私にとっての初めての「外国の歌」は、CMのイメージソングだった。
*曲はビリー・ジョエル「Honesty 」
ネッスル チョコホットCM
当時私は小2で、この歌めちゃくちゃいいな!とすぐ好きになった。
このときはココア(ホットチョコレート?)のコマーシャルの歌、という認識。
CMに出演している男性、ビリー・ジョエルという名前、そして曲が私の中でずっとセットになっていた。
で、記憶ではCMの男性は金髪で哀愁漂う大人というイメージだったのが、今見てみると金髪ではないしどちらかというとかわいい少年というかんじでびっくり。
まあ、子供のときの目と今のおばちゃんの目では感想も変わって当然。
しかし、私の記憶もあてにならんね(それを言ってはおしまいなんだが)。
そして、こんなにきれいな声をしているビリー・ジョエルってどんな人なのだろう?と。
私の勝手なビリー像は「金髪の貴公子」で、外国人イコールそういう系統、という幼い発想だったのかも。
ということで、とにかくCMが流れるとその十数秒間を噛み締めるようにして聴いた。
もっと長く聴きたい気持ちはあれど、どうやってその方法を知るのかもわからず......。
ともあれ、そうしてCMのイメージソングで少しだけ洋楽というものを知ったのだった。
それから私はCMで流れる洋楽を意識するようになる。
以下、頭の中でグルグルと何回も再生されるほどお気に入りだったCMソングを挙げてみたいと思う。
*曲はシェリル・ラッド「Where Is Someone To Love Me」
youtu.be
歌メロと、そこに乗る英語のリズムがなんともいえない華やかさで、憧れのように聴いていた。
*CM2曲目、シェリル・ラッド「Take A Chance 」
1981 サントリー V.S.O.P & V.S.O Deluxe
シェリルはCMのイメージキャラクターであり、シリーズ化もされていたのでその間はCMソングを聴ける機会も多く、嬉しかった。
*曲はキム・ワイルド「Bitter Is Better」
KIM WILDE 1982 in TV-Comercial!
出演しているのもキム。
この人のちょっと怖そうなかっこよさと曲のクールなかんじが印象的。
そういえばずっと曲名を「ベター イズ ベター」だと思ってたな〜(どんな耳してんだ)。
途中、飲み物を注ぐ音だけになる部分を一番覚えていて、そこも含めて好きだった。
あと、TOTOの「Rosanna」もCMで知った。
それは小5ぐらいのときで、何のCMだったか覚えていないがその短い時間の中でさえ炸裂する曲のグルーヴ感。
なぜだかアメリカ!っていう気がすごくした。
で、CMで流れていた歌詞の部分がタイトルだろうと当て込み、いつかこの曲を探すときの手がかりになるはずと耳コピして忘れないようにしていた歌詞は「ニッチューオールウェー」。
このカタカナ英語はいつのまにやら「日中オールウェー」という、一見意味不明なものに変換された。
曲のかんじに昼下りなイメージが常に浮かんでいたので、そこからのつながり?(どうでもいいわ)。
ちなみにこの耳コピは安定の(!)聴き間違いで正解は「Meet you all the way」。
そしてその部分はタイトルではなかった。
ただ、今思うとCM終わり間際にちょっと「Rosanna」って聴こえてた……かも!?
でもまあ、そうだったにしてもそこには全然気がいっていないのだが。
そんなわけで、タイトルに関しての見当はずれな思い込みが、後年この曲を見つけることを難しくした。
いくら探してもない…… “ニッチューオールウェー”的なタイトル(そりゃないわな)。
結局どうやって見つけたのか忘れてしまったが、本当のタイトルを知ったときは妙にショックで、絶対ニッチューの方をタイトルにした方がいいのに、とものすごく勝手なことを思ったのだけは覚えている。
Toto - Rosanna (Official Music Video)
そんなこんなで私は洋楽への道に一歩、足を踏み入れた。
それはちょっとした迷路のようで、ガイドもなく地図もなく、ただ未知なるものへの好奇心のみでゆっくり進んでいったのである。