洋楽クラシックロック雑記帳

懐古趣味の70年代、大体リアルタイムの80年代を中心に思いつくまま。ほぼ備忘録

Pat Travers 「Snortin' Whiskey」

アルバム「Crush And Burn」(1980年)の中の1曲。

私が知ったのは高2のとき(88年)、当時見ていた洋楽情報番組「ピュアロック」(ハードロック/ヘヴィメタル系)にて。
何が流れるのかは事前にわからなかったので、いつでも録画出来るようスタンバイした上でいつも視聴していた。
パット・トラヴァースって全然知らないけど一応、録画しておこう、そんなかんじで。


……ちなみにこのとき録ったビデオ、今はない。DVDに移す前から。
どこへ旅立ったのだろう?
ということで全く詳細でない記憶を引き出してみる。


流れたのはライブ映像。

青いテカテカした生地のシャツを着ているギターボーカルの人がパット・トラヴァースか。
曲も歌も人も、なんか地味だな〜。
テカテカしたシャツは派手めなのに(関係ない)。
そんなパットとは対照的に、顔(表情)で弾くお手本みたいなギターの人(パット・スロール)の方が目を引くみたい──。


初見の感想はこんなかんじだったと思う。
しかし、翌日改めて鑑賞してみると不思議なことに味わいが違っていた。
地味というのではない。渋いのだ。
そしてそれは聴けば聴くほど痺れるように沁み込んでくる系だと、早々に確信したのである。




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イントロの斬り込むようなギターリフからしてもう間違いのないかっこよさ。
ミドルテンポのスモーキーなグルーヴ感がなんとも心地よい。

で、とにかくパットの声がいい。好きな声。
中低音で聴きやすく、男の色気を感じさせる声質だがそれだけに頼らず力強いボーカルスタイル。
歌いっ放すようなちょっとダーティな歌い方は硬派な魅力を放っている。

その歌に呼応するように絡むギター(パット・スロール?)。
そしてピーター“マーズ”コーリング&トミー・アルドリッジの後ノリうねるリズムセクション。 
 
ふくよかな音色のベースは2本のギターの合間で付かず離れず、絶妙の存在感。
リズムに吸いつくようなベースラインのみを耳で追うのもまたオツ。

ドラムのトミーは私が「ピュアロック」でこの曲のビデオを見た地点ではホワイトスネイクに在籍していて、その他での活動はよく知らなかったのもあり、私の中ではホワイトスネイクのドラムの人という認識。
見た目における叩き方に特徴のある人だなーという印象はあった。
狙い打つようなフィルイン、畳み掛けるツーバス連打が小気味よい。

それから二人の「パット」による、振り分けられたギターソロ。
前半の、パット・スロールの泣き叫ぶが如くスリリングなソロ、後半のパット・トラヴァースはそれを一旦堰き止めて……ここはカウベルの音も相まってほんとにかっこいい!一番好きな時間。
と、そこからまた放出するかのようなソロはもっと聴きたいというところを粋に切り上げるみたいに。



*LIVEはよりワイルド

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歳を取るにつれ、少しずつ曲に追いつく。
上手く言えないが、そんな気もする名曲である。