洋楽クラシックロック雑記帳

懐古趣味の70年代、大体リアルタイムの80年代を中心に思いつくまま。ほぼ備忘録

エアチェックとカセットテープ −Part1−

ラジオをただ聴き流していることがもったいなく感じる。

レコードはそうそう買えないからこそ流れてくる曲を捕まえたい。
それに、カセットテープで録音するということにも興味があった。

そんな中1の春。


レコード店に置かれている様々な種類のカセットテープ。
テープについての知識など一切ないということ自体わからない状態で、ウキウキと選んだのはかわいいイラストが描かれている3本セットの、すごく買いやすい値段のもの。

さっそく、ラジオ番組の中からなにか録音してみよう。

今まですり抜けていた音をこの中に閉じ込める!
高揚を感じつつ、テープをラジカセにセットし......。

ところが、録音出来ない。


(え、ええ!?......)


よろしくお願いします!と差し出した手を拒絶されたような心境──。


録音するには録音ボタンと再生ボタンを同時に押さなければならないということを知らなかったのだ。

だからただ録音ボタンだけ押したと思うのだが、それだけ単独で押せたのか、押してもロックされて押せなかったのか、その辺の記憶がはっきりしない。 

まあ、最終的には正しい録音操作に行きついてその日のうちに録音することに成功したのだが、なんで最初から親に訊かなかったのだろう?
うーん。もうそれすらも忘れてしまった。

そう、覚えていることはこのラジカセに、録音ボタンを押せば連動して再生ボタンも一緒に押し込まれるという粋なシステムはなかったということ。


そんなこんなでスタートした我が録音(エアチェック)人生。

当初は「録音する」ということだけで楽しい時期。
だからどんなふうに録音されようが気にしなかった。
曲の途中から録音しようがDJのおしゃべりが入ろうが曲終わりに急にCMが入ろうが。

でもそれは最初のうちだけ。段々と欲が出てきて、曲だけをすっきり録音したいと思うようになる。

とはいえ、基本的に無理だった。
聴いていた番組は、エアチェック向けの番組ではなかったし。
それでもミュージックビデオで見ていいなと思っていた曲などかかると、DJがそろそろ喋り終わるかなぐらいのタイミングで録音開始し、曲終わり辺りで再びDJが声を被せてくるとガチャンと停止するという、いささか乱暴な録り方でお茶を濁していたのである。

そうやって録音したテープ、聴いていくうちに困ったことになった。
曲がガボガボと、水を飲んでいるみたいな聴こえ方になってしまったのだ。
せっかく録った曲が......(空虚)。

それは例の初めて買った3本セットのテープ。
1本目は何かの原因でたまたまそうなったのかなと諦めもついたが、2本目もだめ、3本目など片面も録り終わらないうちから不快な雑音まで入り、曲よりうるさいほど。

結局、その3本のテープとは短期間でお別れする運命となってしまった。

そしてそんな目にあったのに、安かろう悪かろうという学習をしなかった。
私が次に購入したのはまたもやデザインがポップでかわいい超安価なテープだった。

実はこのテープ、レコード店にて一番目に買ったのと迷っていたもの。
このときの私にとって、「かわいい」要素は重要であったから。値段も。
だから次はこれしかない〜!これは絶対大丈夫〜!

──ということで結果、見事に裏切られた。


かわいい絵柄は捨てがたいが中身の方が大事。
しかしながら、そうしょっちゅう買える余裕もないので母にいらないテープをもらった。
曲が入っているけどツメを折っていないから、(上書き)録音出来るということだった。

「ツメ」とは、カセットテープの上部それぞれ左右にある四角い部分。
一箇所だけ本体とつながっていて、それを折り取ると録音不可となる。

だが、折った部分にセロハンテープを貼って覆うと再度録音可。
なんと懐の深い!一度の過ち(?)にも寛大な心で裏技の余地を残してくれているのだ。

そんなかんじで録音して、やっぱりいいやと思ったらその消したい曲の上からまた録音して......。
けど、それをやり過ぎると前に録った曲が新たに録った曲と重なって薄く聴こえたりとかしてたなー。
で、聴き過ぎやらなんやらで結局テープが伸びて再生速度がヘンになったりして(まあこうなればもう笑うしかないんだが。しかし、懲りないヤツ)。

その後のカセットテープジプシーの果て、出来るだけいい見た目で無理なくコンスタンスに買える価格(要するにすぐダメになる系ではないもの)、という方針に落ち着く。
TDKが定番、その後はAXIAに。



*私はノーマル派だったけど

www.youtube.com



テープの種類に関してはノーマルポジション(ノーマル)の他にハイポジション(ハイポジ)、メタルとあり、音質も(値段も)この順に上がっていくというものだが私は特に音にこだわりもなく、気軽なノーマルで充分だった。

と言いつつ後年ハイポジにも手を出したが、ちょっと丈夫そう(!)な気がしただけ。
メタルに至っては買ったこともない。


なんか延々とカセットテープのことを書いてしまった。
でもまだあと少し。エアチェックのことも。

ということで次回に続く。