洋楽クラシックロック雑記帳

懐古趣味の70年代、大体リアルタイムの80年代を中心に思いつくまま。ほぼ備忘録

10cc 〜おばちゃんのよしなしごと

気付けば10ccを尊ぶあまり、作業用として10ccを聴くというのが出来なくなっている私である。
聴いていたら集中してしまって作業をしていない。

どうしよう(知らん)。


ということでオリジナル10cc時代の各メンバーへの、私の勝手ないろいろを深い考察抜きに取り留めなく。


まずグレアム・グールドマン(Graham Gouldman)。

この人を見るとなぜか俳優の柴俊夫(若い頃の)が思い浮かんでしまう。

それはさておき、グレアムは最初期の10ccの中で一番おしゃれさんなイメージ。
なんというか、上品で真面目なお坊ちゃんなかんじの服装。
トラッド系ファッションというのかな?何と表現したらいいのやら。

そして歌声は優等生っぽい。
聴きやすくてこの声が嫌な人ってあまりいなさそう。
ちょっとエリックと似てる気がする(聴き間違えてたことあるし)。

あとはコーラスでの低音ボイス。
いわば10cc内におけるダークダックスのぞうさん的なポジション(ややこしいな)。
とにかく、このパートといえばグレアム!

メインの楽器はベース、かっこいいリッケンバッカーの似合うスラッとした人。
そのリッケンバッカーをピック弾きで特徴的な硬質の音でボトムを支え、且つ奏でられる行き届いたベースラインは実に快適であり魅力的、なのだ。


お次はロル・クレーム(Lol Creme)。

「ロル」という響きと英語のネットスラング「LOL」(笑という意味)と、まとめてこの人の雰囲気にあまりにぴったりで出来すぎだろう(!?)と思った、名前を知った瞬間。

それくらい、いつも楽しそうでまさに笑い転げているようなイメージがある。

ステージでの立ち位置はセンター。
小柄で、アイコンタクトしようとグレアム、エリックと見上げる様子が小動物っぽくてかわいい。
ギターを持つポジションが高く、上体がさりげなくクネクネしたりするちょっとクセのある動きをすることも。

とにかく私からすると「Donna」のあの裏声インパクトが強烈だったのだが、今ではそれすら愛らしいものに聴こえるのは私が歳をとったからというのもあるだろう。
この人のボーカルは中毒性があるというか、一度聴き入れてしまうとやみつきになるかもしれない。
私も最近、やみつきになりかけて危なかった(なにかマズいことでも?)。

あ、忘れてた。

髪サラサラ!


さてケヴィン・ゴドレイ(Kevin Godley)。

その風貌はどこか崇高、タダモノでない感。
なにか導いてくれそう(教祖様?)。

ドラムを叩きながらコーラスはもちろん、ソロパートのボーカルも余裕。
そんな安心安定の要のようなケヴィンだが、ずっと後ろにはいない。
メインで歌うときはスティックを置いて前へずいっと出てくるのだ。
それもあってかLIVEではサポートドラム(ポール・バージェス。のちに正式メンバー)の存在も。

とにかく4人の中で最も歌が上手い人。
歌声は正しく堂々と美しく(ギャップが)。
しかし、これだけの実力派が専任ボーカルでないというところにも10ccのマルチ集団ぶりが窺えるというもの。


最後はエリック・スチュワート(Eric Stewart)。

なんかすごく長くなりそう。
エリックのカテゴリーも作ってあるし、そこに書こうかな。

でもやっぱり書く。手短に(勝手にしろ)。

エリックは一見地味だが美形である。童顔で、あと足が長い。
そのかんじでリードギターを弾き(特にソロがまたカッコイイ!)、歌も歌い、エレピも弾く。
作詞作曲をし、エンジニアでもあり......と多才(10ccは皆多才だなー)。
にも関わらず、おっとり癒し系な雰囲気のある人。
クールな表情の時は色っぽく、でもロルが絡むとすぐにニコニコ(かわいい)というのも和む。

基本純朴な歌声ながら歌い方や声色はメインでも曲中のソロパートでも何気に変幻自在。
時代により、曲により、気分により(?)、いろいろに聴こえて「誰!?」と思ったりして油断ならないけどそれもまた楽しい。
甘くうっとりするようなエリック節というか、だんだんとそういう特徴が出現するようになっていった印象。

バラエティに富みまくった楽曲のギターを難なくこなすオールラウンダー。
エレピを弾きながら歌う姿も天使が寄り添うが如く光り輝いているのだが、私はどちらかというとギターを弾くエリックのカッコ良さを支持する者。

ボーカルとキーボードの人、とざっくり思い込んだまま長年それは凍結されていたが元来はギタリストであると知ったとき、意外すぎて、でもなぜか嬉しかった。

とにもかくにもレスポールと共にある姿はアイドルのようでありつつ骨太の実力派なのである。


最後に、オリジナル10cc。私はこの4人での雰囲気が大好きなのだ。

実際にはキャリアもそれぞれにあり強者揃いではあるのだけど、LIVEなど演奏風景ではバンドとしての瑞々しいオーラ、そしてもちろん曲、演奏レベルの高さは言わずもがなということなどまた別にして、まるで純粋にバンド活動を楽しんでいる若者たちみたいなものも感じられて実に爽快なのである。



*映像は74年。リードボーカル、ロル

10CC /Silly love /1973



リードボーカル、ケヴィン

www.youtube.com




リードボーカル、エリック

10cc- The Wall Street Shuffle (1974) - See You Sunday Version



リードボーカル、グレアム

Headline Hustler - Live 1974